TOKYO MXで2021年から放送されている「小峠英二のなんて美だ!」。 「初心者でもアートについて簡単に学べる “日本一敷居の低いアートバラエティ番組”」を標榜する同番組はお笑い芸人・小峠英二MCに、軽やかな語り口が魅力の、あらゆる“美”のジャンルへの入り口的存在。その魅力は本格的な出演者と意外な切り口。「日本画」「彫刻」「美大」など美術にまつわるテーマから、「都市デザイン」「日本庭園」「家紋」などややマニアックな話題、「宇宙」「相撲」「数」など、一見すると“美術”にはカウントされない(と勝手に思われている)ような話題まで幅広く丁寧に扱う。『白と黒のとびら』『精霊の箱』の著者で言語学者の川添愛氏、国語辞典編纂者の飯間浩明氏が登場した「ことば」回など本格的な回も。ジェンダー・セクシュアリティ研究を行う岡田玖美子氏&映画監督の今泉力哉氏による「恋愛」回では、王道を逆手に取った演出、観る者の心に響く繊細な描写テクニックを紹介するほか、日本において「恋愛」の価値観がどのような変遷を辿ってきたのかを探る興味深い放送回だった。番組でのメインキャストはアートディレクターの中谷日出と乃木坂46の池田瑛紗。東京藝術大学の美術学部に在学し、今年は個展も開催した池田による勉強熱心なコメントも素敵だ。
「日曜美術館」は定番中の定番でありながら、日本のアート系テレビ番組のマスターピース。 NHK Eテレにて“日曜日”に放送中。芸能人ゲストによる美術館めぐりや、今週開催中の注目の展覧会紹介(「アートシーン」)、 こちらの番組、元々は1965年1月1日に特集番組として放送。’76年よりレギュラー放送が開始され、2,500回の放送を超える歴史ある長寿番組。展覧会に呼応した注目の一作、アーティストにフォーカスしたものから、「印象派」「狩野派」など、美術用語を深掘った学びになる回までバラエティに富む。俵万智や千住明、小野正嗣など錚々たる人選が歴代の「キャスター」を務め、現在は守本奈実アナウンサーと、音楽家の坂本美雨によって届けられている。2026年は50周年を迎えるということで、「NHK日曜美術館50年展」が東京藝術大学大学美術館で開催予定だ。セザンヌ、ムンク、葛飾北斎、舟越桂、などなど、同番組を彩ってきた名品の数々が揃う注目の展覧会だ。
NHK Eテレ「ビタゴラスイッチ」「びじゅチューン!」、テレビ東京「新・美の巨人たち」などなど、美術にまつわる番組は各局に用意され、その方向性も多岐にわたる(筆者はかつてNHK総合で放送されていた『迷宮美術館』がお気に入りでした)。偶然面白い番組と出合ったり、好きな番組の時間にチャンネルを合わせて待機したり。YouTubeや配信型サブスクのサジェスト機能とは一味違う、そんなテレビならではの良い意味での“オールド”な味わいは、今こそ必要な栄養素なのかもしれない。仕事や勉強で疲れたら、美術番組でリフレッシュしてみては?
アニメーションの現場で長きに渡り活躍してきた米山は、2018年頃から、本格的にイラストレーターとしてのキャリアをスタートさせた。2019年の初個展「SHE」を皮切りに、2021年の「EGO」(anicoremix gallery)、2023年の個展「EYE」(PARCO MUSEUM TOKYO)と、意図してか、これまで2年おきに個展を開催してきた。 そして2025年、今回の『YONEYAMA MAI EXHIBITION “arc”』である。
昨今の原画への再評価や、米山の言うセル画の価値を認めることは、すなわちアニメーションを取り巻く細分化された職種に目を向けるということに繋がり、ひいては、度々問題になるアニメーターの労働環境・賃金などの問題に光をあてるきっかけになるかも知れない。アニメーションをハイエンドな銀座の街に持ち込んだ『YONEYAMA MAI EXHIBITION “arc”』は、そういった意味でも、非常に重要な意味合いを孕んでいる。
2025年11月1日からの3日間で開催された「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」。 Chim↑Pom from Smappa!Groupらがキュレーションを務めたオールナイトでのアートイベントは、東洋一の歓楽街と呼ばれる「歌舞伎町」を舞台に、街のあちらこちらに散らばった会場で、同時多発的に“何か”が起きている。
さて、歌舞伎町で一体何が起きていたのか。
鈴木喜兵衛から続く「歌舞伎町」のダイナミズム
「新宿歌舞伎町能舞台」
会場のひとつである「王城ビル」を後にして向かったのは、「新宿歌舞伎町能舞台」。先日のインタビューにて、Chim↑Pom from Smappa!Groupの卯城竜太さんは次のように語っていた。
そうした歴史の中で、1941年に誕生した「中島新宿能舞台」。2022年からは名称を変え、「新宿歌舞伎町能舞台」となる。ホスト事業を中心に展開するSmappa!Groupが施設を購入したのだ。会長の手塚マキさんは、歌舞伎町商店街振興組合常任理事を務めるなど、現在の「歌舞伎町」の文化的発展に尽力している。彼の話は【インタビュー】東洋一の歓楽街を回遊する。「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」の舞台裏 – 手塚マキ編で触れた通りだ。また、彼の著書『新宿・歌舞伎町 人はなぜ〈夜の街〉を求めるのか』に詳しい。
東洋一の歓楽街「歌舞伎町」を舞台に、3日間のオールナイトイベントとして幕を閉じた「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」。街のあちらこちらで同時多発的に、様々なイベントが巻き起こる。 戦後間もないこの地を「道義的繁華街」として復興すべく尽力した鈴木喜兵衛が、未来に託した願い、「歌舞伎町」命名に際した願いは、未だ旅の途上にある。「BENTENは長期的に考えている」と語る手塚マキさんの描くこれからの歌舞伎町が、未来の歴史にどう絡んでくるのか。街のダイナミズムは留まることを知らない。
「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」※イベントは終了しました。
2025年11月1日〜11月3日に開催された回遊型アートイベント「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」。「都市の再野生化」をテーマに掲げ、昨年の「BENTEN 2024」に続き、Chim↑Pom from Smappa!Groupらがキュレーションを務める。 当日は新宿歌舞伎町能舞台、王城ビル、デカメロン、WHITEHOUSE、東京砂漠などを回遊しながら、光と影の交錯するカオティックな都市のリアルを、文化としての「歌舞伎町」を味わうことができる。
2025年11月1日からの3日間で開催中の「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」。 Chim↑Pom from Smappa!Groupらがキュレーションを務めたオールナイトでのアートイベントは、東洋一の歓楽街と呼ばれる「歌舞伎町」を舞台に、街のあちらこちらに散らばった会場で、同時多発的に“何か”が起きている。
唐組の公演の大きな特徴の一つが、その鑑賞スタイルだ。紅テントと呼ばれるテント劇場の中で、観客は、さながらピクニックや花見のように、所狭しと詰め合って座る。座席の区切りはない。今回の「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」ではテントの設置こそないが、敷物に直に座って鑑賞するスタイルが取られた。
続編では、Chim↑Pom from Smappa!Groupのエリイさん、ぼく脳さんらが登場予定です。 続く→
BENTEN 2 Art Night Kabukicho
2025年11月1日〜11月3日に開催される回遊型アートイベント「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」。「都市の再野生化」をテーマに掲げ、昨年の「BENTEN 2024」に続き、Chim↑Pom from Smappa!Groupらがキュレーションを務める。 新宿歌舞伎町能舞台、王城ビル、デカメロン、WHITEHOUSE、東京砂漠などを回遊しながら、文化としての「歌舞伎町」を味わうことが出来る。光と影の交錯するカオティックな都市のリアルを、ぜひ現場でご覧ください。
2025年11月1日からの3日間で開催される「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」は、昨年の「BENTEN 2024」に続く2度目の開催。キュレーションはChim↑Pom from Smappa!Groupらが務める。
我々BAM編集部は、気になるその実態、地理的イデオロギーを探るべく、開催を目前に独占インタビューを敢行。前編ではChim↑Pom from Smappa!Groupリーダーの卯城竜太氏に、後編ではSmappa!Group会長の手塚マキ氏に、それぞれプロジェクトの背景や開催への想いを伺った。
「また明日も観てくれるかな? So see you again tomorrow, too?」2016年 / ビルバーガー 3階分のフロア、事務用品、空調、家具、照明器具、カーペットなど 撮影:森田兼次 / Courtesy of the artist, ANOMALY and MUJIN-TO Production 手塚氏が常任理事を務める解体予定の歌舞伎町商店街振興組合ビルの床を1階まで繰り抜いて開催された。
「また明日も観てくれるかな? So see you again tomorrow, too?」2016年 / BLACK OF DEATH 2008、2016 / ビデオ 撮影:森田兼次 / Courtesy of the artist, ANOMALY and MUJIN-TO Production
卯城 – DOMMUNEの宇川直宏さんに昨年から参加して頂いていて、テーマである「都市の再野生化」を踏まえて山本裕子さんと一緒にキュレーションやブッキングを考えて頂きました。「BENTEN」の立ち上げの段階から、DOMMUNEのイメージは僕の中にあったんです。2013年に開催された「FREEDOMMUNE 0<ZERO> ONE THOUSAND 2013」が、当時飽和していた音楽祭の中で、ノイズだったり、コンテンツが特殊にも関わらず大規模のイベントとして、全く独自のお祭りを作っていた。「BENTEN」に関しても、日本国内にたくさんの芸術祭が存在している中で、似たような立ち位置のものがあれば面白いだろうなとは思っていました。例えば、歌舞伎町シネシティ広場で、Merzbowがノイズミュージックをやるなんて事件だってあり得る訳で。 もう一つは、スペースをたくさん使っている点で言うと、「新宿歌舞伎町能舞台」が、今後の歌舞伎町の文化活動のアイデンティティになっていくんじゃないかと思っています。と言うのも、今回のやなぎみわさんも、前回のメインアーティストでAsian Dope Boysというコレクティブをやっているチェン・ティエンジュオさんも、能舞台があることに凄く惹かれているんです。もっと言うと、能舞台が歓楽街にあること自体が特殊……。特殊には見えるのですが、さっき話した、弁財天や芸術と芸能の境界線を考える上では、河原者による儀式や、「湿った場所」で勃発した歌舞伎など、文脈としては真っ当で、自然なことなんです。歓楽街の中に能舞台があって、そこに、考え抜かれたものがコンテンツとして出てくるっていうのは、脱西洋中心主義的な表現を考えるにあたって、大変重要な部分。今後もその部分を大切に活かしながら展開するイベントになっていくといいなと思います。
その土地の文化的な土壌や時代観を色濃く反映させながら、Chim↑Pom from Smappa!Groupが作り上げるアートイベント「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」。それまで多くの人が描いていたであろう、怖くて危ない街・歌舞伎町というイメージは、彼らの投げかけるアートを介して見つめ直すと、全く異なる街の輪郭が立ち現れてくる。そしてそれは、通り過ぎていた街の外の人も、中にいる「歌舞伎町の住人」も一緒だ。
2025年11月1日〜11月3日に開催される回遊型アートイベント「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」。「都市の再野生化」をテーマに掲げ、昨年の「BENTEN 2024」に続き、Chim↑Pom from Smappa!Groupらがキュレーションを務める。 新宿歌舞伎町能舞台、王城ビル、デカメロン、WHITEHOUSE、東京砂漠などを回遊しながら、文化としての「歌舞伎町」を味わうことが出来る。光と影の交錯するカオティックな都市のリアルを、ぜひ現場でご覧ください。