1981年に連載をスタートし、世界100か国以上で翻訳・放映されてきた『キャプテン翼』。
その存在は、日本サッカーの歴史とほぼ重なるように歩んできた。Jリーグの誕生とともに育った世代が大人になり、かつてピッチで「翼君」の技を真似た少年たちが今や代表選手や解説者として活躍している。そして2026年、その物語はついに「アート」という新たな形をまとって世界を旅し始める。
キャプテン翼 One World One Team アートエキシビション 2026

サンフランシスコを皮切りに、ニューヨーク、シンガポール、香港、ヨーロッパへと巡回するこのプロジェクトを記念し、漫画家・高橋陽一先生、元サッカー日本代表の柿谷曜一朗氏、本プロジェクトを主催した株式会社GAAAT代表取締役・徳橋佑輔氏へと話を伺った。世代を超えて「翼君」とともに歩んできたそれぞれが、サッカーとアートへの想いを語り合う________。
企画の原点──IPとアートが出会うとき

今回のプロジェクトに至ったきっかけを教えてください。
徳橋 – 私たちGAAATはIPとアートを掛け合わせ、新しい作品を生み出す事業を続けています。その文脈で『キャプテン翼』をアートという形で世界展開する企画を立ち上げました。今回の描き下ろし作品は世界で11点のみ、売り切れたらそれ以上はありません。
高橋先生は、今回このような形でアート展が開催されることについてどう感じていますか?
高橋 – 作品に選んでいただけたこと、本当に光栄です。世界中に『キャプテン翼』の読者がいますので、そういった方たちにアートという形で届けられたら嬉しいなと思っています。
『キャプテン翼』は、常にそばにいた

柿谷さんにとって、『キャプテン翼』はどういう存在でしたか?
柿谷 – 僕自身、アクロバットなプレーやオーバーヘッドがずっと好きで。でもそれは「翼君を意識して」というよりは、僕が好きなプレーが自然と『キャプテン翼』に詰まっていた、そういうイメージでした。だから子供の頃から「翼君」という名前をひとり占めしてたくらい(笑)、本当に身近な存在でしたね。

印象に残っているキャラクターはいますか?
柿谷 – もちろん翼君なんですけど、岬君のような存在もすごく大切ですよね。翼君が翼君であり続けるには、一人では絶対に無理じゃないですか。僕は現役時代、香川さんと乾さんとずっと一緒にやっていたんですけど、あの二人がその存在に重なって見えていました。「僕にも岬君みたいな存在が欲しかったな」と思うこともあって…。
仲間がいたからこそ、一人一人のドラマが生まれる。翼君が翼君になれたのも、一人じゃない。そういうところが羨ましくもあり、「こういう選手になりたかった」と一番強く印象に残っているところです。
サッカーと漫画が互いを超えようとした時代

高橋先生が作品を描き始めた当時は、漫画の中のプレーが現実を超えているとも言われていました。今の選手たちが実際にそれを体現していることについてはいかがですか?
高橋 – 本当に嬉しいですね。漫画を描きながら、「こういうプレーが見たい」という思いで描いていたシーンが、実際の選手によって演じられるたびにフィーチャーしていただいて。こういうのを見たかったんだよな、と毎回思います。
柿谷 – 練習の中で「先生が描いたんだからやらないと」という気持ちがあって(笑)。先生は絶対に無理なことは描いていないと思うんですよ。先生の頭の中は、誰よりもファンタジスタ。その想像に何とか応えようとする。それが「翼君みたいだったね」と言われた時の嬉しさにもつながって、モチベーションになっていました。むしろ先生が描けないようなプレーもしたいと思っていたぐらいで(笑)。
W杯2026、日本代表に何を期待するか

まもなくFIFAワールドカップ2026が始まります。柿谷さんが日本代表に期待することは?
柿谷 – 「まずグループリーグを突破して」とか「ベスト8に行けたら御の字」みたいな考え方を、僕は捨てたいと思っています。選手たちが「優勝する」と公言している以上、サポーターも同じ目線で最高の景色を見る準備をしないといけない。戦っているのは選手だけじゃないですから。選ばれた26人を信じるだけです。
高橋先生が注目している選手は?
高橋 – 佐野海舟選手ですね。今まさに伸び盛りで、すごく効いている選手だと思っていて。彼次第のチームになるんじゃないかという見方もしています。
大会を通してお二人が見たいものはなんでしょうか。
柿谷 – 90分の中には、勝ち負けに関係ない、ただただ心を揺さぶられる瞬間がたくさんあるんです。目の前の相手を華麗な技で抜いても1点にはならない。でもその一瞬に感動する。今の組織的なサッカーの時代に、その台本を飛び出すようなプレーができる選手がなかなかいないと言われている。だからこそ、フランスのシェルキみたいに、試合中にリフティングやラボーナを仕掛けてくる選手が活躍するのを見たいんです。突出した個が輝く瞬間が今大会にあれば、と楽しみにしています。
高橋 – サッカーにはファッションみたいに流行があって、組織的なサッカーが整備されると、それを崩すための新しいサッカーが生まれます。その循環がまた今回のワールドカップでも見られると思っていて。個人の突出した選手が出てきて、また流れが変わるかもしれない。そういう新しいプレー、違うサッカーが見られたら嬉しいですね。
世界平和への想いを作品に込めて

高橋先生、今回の描き下ろし作品に込めた思いを聞かせてください。
高橋 – 今回のテーマは「世界平和」です。世界で戦争が起きている今、嫌だなという気持ちがずっとあって。もともと翼の物語の中でも世界平和はテーマの一つとして描いてきました。今回はその想いを改めて込めて、世界中の人たちが仲良くなれるようにという願いを一枚のイラストに落とし込みました。試合中はもちろん相手に勝つために全力を尽くすけれど、試合が終わったらお互いを認め合って仲良くなれる。そのスポーツとしての美しい瞬間を描きたかったんです。本当は11人以上描いた方がよかったかなとも思うんですが、サッカーは11人で戦うスポーツ。そして今回の作品も世界11点。だから11人に絞りました。
柿谷さんは、作品をご覧になって何を感じましたか?
柿谷 – 鳩が可愛いですよね、左上の(笑)。でも真剣に言うと、世界平和ってすごく大きい言葉じゃないですか。言葉で伝えようとしてもなかなか伝わらないんですよ。でもこの作品を見るだけで、そういう想いが伝わってくる。僕たちサッカーをやっている側は、ピッチの上では人種も国境も関係なく夢中になれる。その感覚を、一枚の絵で体現してしまっている。そんな作品だと思いました。
一枚の絵に込める緊張感──漫画と「止め絵」の違い

キャプテン翼はページをめくるたびに臨場感や躍動感が生まれますが、一枚絵のイラストでそれを表現するのは難しさもあるのではないでしょうか。描き分けの意識や、今後のアート活動の展望を聞かせてください。
高橋 – 漫画の時はページという連続した時間の中でプレーの動きを描けますが、一枚絵ではその一瞬にすべてを集約しなければいけません。だからこそ、どの瞬間を切り取るか、その選択がすべてになります。構図や表情のひとつひとつもとことん突き詰めます。普段の漫画は前後の流れも意識しながら描いているので、ある意味では流れに乗れる部分もある。でもこういう「止めの絵」は、それができない分より緊張感があって。いろんなところにこだわって、本当に自分が納得できる一点を残そうという気持ちで臨みました。
漫画が「アート」として世界を旅するということ

漫画がアート作品として世界を巡回することについてどう感じていますか?
高橋 – 漫画って、これまで芸術の中でも少し低く見られていた部分があったと思うんです。でも自分は毎日毎日、魂を込めて描いてきた。それがちゃんとアートとして認められて、世に発表できる。世界中を回って展覧会をすることは、ずっと抱いていた夢の一つだったので、漫画家として本当に嬉しいことです。
今回の作品は、普段僕が水彩絵の具で描いているものを、MCA(メタルキャンバスアート)という特殊な加工で何層にも仕上げていただいていて。油絵のようにシワや立体感が浮き上がっていて、耐久性も計算されている。普通の印刷物とは全く違う仕様です。
時代も国境も越えて、いざ世界へ

この作品展を通して届けたい想いや、改めて想うことはありますか?
柿谷 – 子供たちがサッカーを夢中に追いかける途中に、『キャプテン翼』は絶対にそばにあると思うんです。技の名前や選手の特技って、大人になってから「あれって本当にできるのかも」と気づくんですよ(笑)。子供の時は純粋に「すごい、やりたい」と夢中になれる。その『キャプテン翼』の世界を、僕自身もこれからもっと子供たちに伝えていきたい。こういう技があって、こういう世界があるんだよって。「翼君」みたいな選手が一人でも増えてくれたら嬉しいです。
高橋 – 『キャプテン翼』はもともと漫画、つまり絵と物語がセットのものです。今回それが、サッカーとアートという要素とうまくコラボして、世界に届けられるというのがとても嬉しく思います。ただの絵として見るのではなく、『キャプテン翼』という物語ごとアートを感じてもらえたら。世界中の人たちに、今回の想いが届けばいいなと思っています。
「2026 FIFAワールドカップ」の開催が、いよいよ間近に迫っている。
1991年のJリーグ発足から実に35年、日本の“W杯優勝”の夢は、4度、ベスト8の壁に阻まれてきた。過去最高との呼び声高いSAMURAI BLUEはこの壁を突破し、新たな景色を見られるだろうか。
「 日本のワールドカップ優勝 それは一生かなわないはかない夢かもしれない・・・だけどおれたちは・・・おれたちは・・・」
翼の想いが現実になる日を切に願って。
キャプテン翼 One World One Team アートエキシビション 2026
■ プロジェクト概要
アメリカ2都市での開催を皮切りに、世界11都市を巡回予定の本展では、高橋陽一氏による描き下ろし作品に加え、『キャプテン翼』の世界がアートとして生まれ変わったMCA(メタルキャンバスアート)、その他グッズ展開が予定されています。
各都市の会場情報・会期・販売方式、購入条件、VIP枠の詳細は確定次第、公式LPにて順次公開します。
■ サンフランシスコ展 開催概要
会期:2026年6月13日(土)〜 2026年6月21日(日)
会場:GCS Agency
住所:236 Powell St, San Francisco, CA 94102, United States
開場時間:12:00〜18:00
■ ニューヨーク展 開催概要
会期:2026年7月19日(日)〜 2026年7月21日(火)
会場:Jutta Gallery
住所:104 Charlton St #1E, New York, NY 10014, United States
開場時間:12:00〜18:00
※販売方式・購入条件等の詳細は公式LPにてご案内します。
https://gallery.gaaat.com/en-us/pages/captain_tsubasa
■ その他の開催予定(会場・詳細は確定次第公開)
※開催地・会期は現時点の予定です。今後の世界情勢や社会状況により変更となる可能性があります。
シンガポール:2026年8月
香港:2026年9月
ベルリン:2026年10月
ミラノ:2026年10月
パリ:2026年11月
バルセロナ:2026年12月
台北:2026年12月
ドバイ:2026年12月
東京:2027年1月
■ 主要作品(抜粋)
本展では No.001〜No.016 に加え、Commission Work を含む計17点を展開します。
以下、主要作品として No.001/No.002/No.003/No.005 を抜粋紹介
【No.001 Captain Tsubasa】(世界に1点)
販売:ニューヨークにてウェブオークション(予定)
エディション:1
サイズ:1,470(H)× 1,180(W)mm

【No.002 Tsubasa Overhead Kick】
価格:990,000円
エディション:11
サイズ:1,064(H)× 763(W)mm

【No.003 Tsubasa & Misaki】
価格:990,000円
エディション:11
サイズ:1,064(H)× 763(W)mm

【No.005 Exhibition-exclusive artwork】
価格:4,950,000円
エディション:11
サイズ:763(H)× 1,064(W)mm

※価格・仕様・販売方式は現時点の情報であり、会場・販売状況等により変更となる可能性があります。
■ GAAAT 独自のアートテクノロジー「Metal Canvas Art(MCA)」とは?
「Metal Canvas Art(MCA)」は、GAAATが提案する新しいアート体験です。専門の職人が一つひとつ丁寧に手作りで仕上げるメタルキャンバスアートは、メタル素材ならではの重厚感と美しさを持ちながら、作品の立体感が際立つ独自の没入体験を提供します。さらに、優れた耐久性を備えており、日光や湿度に強く、長期間にわたりその美しさを楽しむことができます。
デジタルデータを32層に分割する特殊なデータ設計技術を駆使し、凹凸や色味の繊細な表現を実現しました。
■GAAATについて

GAAATは、アートとテクノロジーの力で、IPコンテンツの表現と体験を新しい次元へ拡張するアートブランドです。私たちは、独自の技術とクリエイションによって、世界観や感情の奥行きを空間的・体験的に広げ、IPが持つ力をアートとして再定義します。
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