イラストレーター、アニメーション作家として活躍するcoalowlさん。
TVアニメ『チェンソーマン』のEDアニメーション、PEOPLE1の『常夜燈』MV、カンロ発売のグミ「Marosh」パッケージイラストを手掛けるなど、第一線で活躍する中、これまで自身について語ることは無かったのだが…。
初の個展を開催するこのタイミングで、彼女の生の声を、知られざる創作の裏側を、独自取材することに成功!これまで歩んできた道のりから、数々の作品が生まれた背景、ハイクオリティなアニメーション、謎に包まれたcoalowlさんのインタビュー記事を前後編でお届けします。

本日はよろしくお願いします。これまでインタビューは受けてこなかったとのことですが、今回はどうして受けて頂けたのでしょうか?
coalowl – よろしくお願いします!今までアーティストさんや企業さんからのご依頼でアニメーションを作ることが多く、そうするとあくまでその中でどうやるかっていう感覚なんです。MVだったら曲のためだし、CMだったら商品のために作ります。 だから、「改めて私から積極的に何かを語るような感じでもないな」と思っていました。ただ今回は自分の名前を冠した初めての個展ということもあって、お受けしようかなと思いました!
貴重な機会をありがとうございます!
オリジナルの『パワーパフガールズ』を描いていた幼少期
「かわいい」イラストが印象的ですが、それは昔からですか?
coalowl – そうです!幼い頃からそういう絵は多かったと思います。幼少期はひたすら『パワーパフガールズ』を描いていました。髪型を変えてみたり、服装を変えたりして、存在しない架空のキャラクターも自分で考えて描いていたのを覚えています。
描いたものは何かにアップしたり、人に見せたりはしていた?
coalowl – ネットの掲示板とかに上げていました。アップしたイラストを、色々な人がコメントとかで評価してくれるような掲示板があって。そういう場所があったおかげで楽しく絵を描き続けられたんだと思います。
高校では美術部に入るなどはしましたか?進路の話とかも出てくる段階だと思うのですが、将来について、例えば絵で食べていくイメージは持っていましたか?
coalowl – 高校は新体操をやりながらも、絵はずっと描いてました。でも、絵だけで食べていけるとは思っていなかったんです。本業にできたら嬉しいけど、無理だろうなと感じていたので、副業で絵を描けたらいいなと思っていました。
副業!初めから副業前提なのは珍しいですね。
coalowl – 確かにそうですね。だから、将来的に潰しがきくようにと思い、普通に勉強して大学受験しました。

「かわいい」だけじゃない!スプラッターやホラー映画にどハマりした学生時代
大学でも変わらず絵は描き続けていましたか?
coalowl – そんなにガツガツ描いてはいなかったです。ちょっとだけ絵の仕事をしたりもしましたが、中高生の時の方が描いていました。大学では映画にハマって、いろんな映画を観ていました。『パルプ・フィクション』とか『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』とか、有名なところをネットで調べて。「死ぬまでに観たほうがいい映画」とかそういうのを検索して。あとは、なぜか刺激が欲しくて、『シャイニング』や『レクイエム・フォー・ドリーム』等の鬱映画やホラー映画を見まくる時期もありました!
そうしたインプットが、当時描くイラスト、アウトプットに影響しましたか?
coalowl – 意外としていないと思います。自分ではちょこちょこホラーっぽいイラストとかも描いてはいたのですが、何かに投稿したりはしませんでした。この時のインプットは、今MVを作るようになってから活きているかもしれません。
何を投稿するか、選ぶ基準はありましたか?
coalowl – 今もそうですが、クオリティの面で納得いっていないものは投稿しなかったです。あとは、「恥ずかしいか、恥ずかしくないか」が結構あったかもしれないです。血とか、グロい絵を描いていた時期があったんですけど、黒歴史を現在進行形で作っている自覚があったので、それはあげないようにしてました…!
血!?今の作風からすると全くイメージがないので意外ですね(笑)。
coalowl – アップしていたものは「かわいい」系が多かったです。でも、実はそういうのも結構好きでした!

ちなみに、中高から比べて大学では絵を描くペースが落ちた理由はありますか?
coalowl – 中高で新体操をやっていて、それが本当にきつくて、辞めたくてしょうがなかったんです。周りの圧力で辞められなかったんですけど、その鬱屈とした感情を絵を描くことで発散させていたのかもしれないです。大学生になって新体操を辞められたので、抑え込められていたフラストレーションみたいなものは一旦なくなっていって、少しペースが落ちていった気がします。当時の感情は覚えてないですけど、今振り返るとそう思います。

卒業後は何をされていましたか?
coalowl – 普通に就職しました。いわゆる事務的な仕事をしていたんですけど、忙しくてほとんど絵が描けなかったんです。 高校の時に考えていた、「副業として描こう」という考えが、その時点で実現できておらず、勇気はいりましたが会社を辞めることにしました。
「絵で食べていこう」と覚悟を決めた?
coalowl – 展望としては「絵を仕事にしたい」という想いはあるんですけど、退職する時点で目処が立っていたとかは全然なくて。「この先どうなるかわからないけど、とりあえず辞めよう!」という感じでした。
作品の「かわいい」イメージから反して、勢いで会社を退職したcoalowlさん。高校当時に思い描いていた、「副業として絵を描く」ことは叶わなかった。先行きが見えない中でも踏み出した一歩は、その先の未来にどのように通じるのか。
後編では、若くして経験した挫折から、“副業”どころかむしろ“本業”として活躍するイラストレーターcoalowlへと繋がる軌跡を紐解いていきます。開催間近の個展の裏話も登場します。お楽しみに!