細野晴臣のレコードが一堂に介する『Hosono Record House』が、2025年12月19日から2026年1月25日の期間で開催中だ。
レコードやCD、Tシャツにスウェット、キャップにインタビュー冊子、さらにはポスター、コップなど…。
様々なグッズで溢れる楽しげなポップアップ会場の様子に加え、細野さんのオフィス、「ミディアム」の谷本さんによる、開催までの裏話や細野さんとのやり取りをお届け!

デビューからおよそ半世紀。未だ衰えない人気ぶり
「はっぴいえんど」や「YMO」などで、常に日本の音楽シーンの最前線をひた走ってきた細野晴臣。日本ロックの礎を築いた彼のソロデビュー作『HOSONO HOUSE』の発表からは、半世紀以上もの月日が流れている。にも関わらず、未だ国内外での人気は衰え知らず。
このタイミングでポップアップの開催に至ったのはどうしてだろう。谷本さんは次のように語る。
「50周年を記念して、2019年に『細野観光1969-2019』展、ドキュメンタリー映画『NO SMOKING』、国内外公演などの企画を1年間に詰め込みましたが、55周年は、ゆるく長くやりたいなと思いました。 中でも今回は、近年作にフォーカスしています。」

第71回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞) を受賞した映画『万引き家族』(2018年公開)では、オリジナル・サウンドトラックを手掛けるなど、近年も精力的に活動する細野さん。僕の周りでも細野さんを知らない人はいないし、出演する『おげんさんといっしょ』では、おげんさん(星野源)の「長男」役として、最高にクールでチャーミングな姿を、いつも楽しみにしていた。(放送が終わってしまったことが本当に残念…)
しかし、世間から見える景色が、必ずしも本人のものと同じとは限らない。
細野さんから漏れてきた意外な一言が、今回の展示のきっかけの1つになったそう。
「2023年に、ソロファーストアルバム『HOSONO HOUSE』が50周年を迎えました。海外も含めて再評価頂けて、本人もとても喜んでいたんです。世間の声をちゃんと自覚できたようで、すごくいいきっかけになったのですが、同時に、『僕の近年作を誰も聴いてくれないかも…』みたいな、ちょっと寂しいことをおっしゃったんですね。だから、近年作をきちんと再発して、もう一度まとめるような企画をしようと。それが1年ほど前です。アナログレコードが一度に揃う機会もなかなかないので、近年の音楽にフォーカスした企画として、『HOSONO RECORD HOUSE』の実現に至りました。」


メインビジュアルの秘密 – ベートーヴェンとこれから細野晴臣
細野さんのスタジオには、ベートーヴェンの胸像が置かれている。
これは母方の祖父である中谷孝男さんが残したもので、今回の『Hosono Record House』のメインビジュアルとして登場する。もちろんこれは、単にあ̇っ̇た̇からではない。ピアノ調律師であった祖父の影響、中でも“クラシック”は、これからの細野晴臣の重要なピースとなるかもしれないのだ。
「ここのところ、細野さんが、『ベートーヴェンをカバーしたい』と言っているんです。その話とスタジオの胸像がリンクして、メインビジュアルに採用しました。近年作にフォーカスした企画だということもあったので、今後の新作に関わってくるベートーヴェンをメインビジュアルに採用したことは、意味があるように感じています。」



会場には物販の他に、近年のアルバムに関する細野さんの言葉が壁を彩っている。
足元に飾られた「H」と「R」と「H」のアルファベットのブロックが可愛らしい。
2026年オープン予定のデジタルミュージアム「HOSONO MANDALA」のチェックも忘れないようにと思いつつ、やはりまずは会場に足を運ばないと。僕だって、一切重みのない財布を取り出して、気づけば真冬にTシャツを買っていた。会場を後にして、細野さんの大ファンの友人の元へ走った。寒さを忘れてTシャツ姿で語りあかした夜の思い出、冬越えのさなか、クシャミひとつで済んでよかったな…。
『Hosono Record House』
会期:2025年12月19日~2026年1月25日
会場:New Gallery
アドレス:東京都千代田区神田神保町1-28-1 mirio神保町 1階
休廊:12月29日~1月5日、月曜(1月12日を除く)
開館時間:12:00~19:00
観覧料:無料
公式サイト:https://newgallery-tokyo.com/hosonorecordhouse/