初のアート展「冒険につき」──高野洸が選んだ“もうひとつの舞台”

2009年、『天才てれびくんMAX』が開催した全国オーディションを見事に勝ち抜き、『Dream5』として芸能界に名乗りをあげた高野洸。『妖怪ウォッチ』のエンディングテーマ、『ようかい体操第一』で一世を風靡した。それからはや10年__。子役からの大成は難しいという一種の定説を、彼は颯爽と飛び越えてみせた。

かつて「ようかいでるけんでられるけん」と踊っていた青年は、今や、音楽、ダンス、舞台、映画、ドラマと、ジャンルを飛び越えてその才能を遺憾無く発揮している。そしてその才能は、アートの形をとっても、怯むどころか一層輝いているから、もはや嫉妬すら覚えない。

アートブランドであるGAAATとのコラボレーションにより実現した、高野洸にとって初めてとなる個人展「冒険につき」1

会期は2025年5月22日から5月28日の7日間で、高野洸の描いた水彩画の原画をはじめ、アートブランドGAAATとのコラボレーションで実現したMCA(メタルキャンバスアート)作品群を間近で観ることが出来る。会期中はこの機会に限定制作された作品をオンラインにて抽選販売も実施中とのこと、こちらも要チェックだ。

そして2025年5月23日、本展示を祝したトークイベントが開催。今回は定員80名を遥かに超える応募があったとのことで、来られなかった方々に、当日のお話の一部をQ&A形式でお届けする。

高野洸「冒険につき」トークイベントの様子

Q – そもそも絵を描いたり、アート活動を始めたきっかけはなんだったのですか?

A – 小さい頃から絵を描くのが好きで、自由帳に描いたりしていました。小学生の頃はクラブ活動でイラストクラブに入っていて、授業中とかも描いたり(笑)、あとは家族でお絵描き大会をやったりしていましたね。

Q – どういった気持ちの時に絵を描きたくなりますか?

A – 仕事させてもらっている中でも、例えば絵に触れた時などに、より描きたい欲が高まると思います。

Q – 美術館に行くとか、そういうことですか?

A – そうですね。美術館の展示企画とかはSNSで見つけて行くことが多いです。普段はインドアなんですけど、そういった場所に足を運ぶこと自体は全然苦ではないですね。

Q – 最近行かれた展示会や美術館はありますか?

A – 国立西洋美術館での、「西洋絵画どこから見る」に行きました。

Q – 高野さんにとって、芸術やアートを鑑賞したり、ご自身で描かれたりという事はどんな意味を持ちますか?

A – 好奇心を満たしてくれるものですね。あとは、感銘を受けたりするものです。行ってよかったなと思うような。そうした絵は、印象深く焼き付いていますね。

Q – 好きな作家やアーティストはいますか?

A – 鳥山明です。僕はゲームがすごく好きで、ドラクエが好きなんです。子供の頃ドラゴンボールも毎週観ていて、この二つを本当に同じ人が描いているんだ!と感銘を受けました。自由帳とかにはドラゴンボールの絵を描いていましたね。あとは生で観たモネの睡蓮は本当に凄かったです。印象派も、写実主義も、色味などに惹きつけられる作品は凄く好きです。あとは昔の人物画に出てくる人の纏っている服装を見ることも好きですね。

2025年1月〜3月にかけて、大阪・宮城・愛知・福岡・東京で開催されたイベント【皆様が激写したご当地写真を高野がデッサンしながらティータイム】で描かれた作品。イベント中では完成していないので今回が完成作品初お披露目。大阪の回で描かれた写真の撮影者がトークイベントに参加。イベントでは、迷いなくスラスラと描き進めていったそう。

Q – ご自身としては初のアート展ということで、やろうと決めたきっかけはありますか?

A – 別のイベントで水彩画を描いていて、それを展示してみたいとは思っていたんです。あとは、最近本当に絵が好きで、特に絵を描く時間とか、美術館に行く時間がたくさんあったんです。そういったことがあって、個展を開くのは一つの目標というか、夢でした。

Q – 今回、高野さんに描いていただいた原画が、MCA(メタルキャンバスアート)という、アートブランドGAAATの手掛けたオリジナルアート作品に生まれ変わりました。金属製のキャンバスに独自の技術加工を施すことで、長く美しさを保つように作られています。特徴としては、光の角度によって見え方が変わったり、立体的なテクスチャーに加え、重厚感や耐久性を備えています。実際にご覧になって、いかがでしたか?

A – あまり見たことのないもので、生で初めて見た時に本当にすごいなと思いました。僕の描いた一個一個の線を反映してくださったり、立体感や鮮やかさ、メタルならではの良さがあって素敵に仕上がったと思います。プリザードフラワーが凄く好きなんですけど、同じように、ずっと長持ちしてくれるのも嬉しいポイントですね。

Q – 水彩画に関しては、高野さんが3月まで行っていたツアーの会場で、ファンの方が撮影した写真の中から、会場ごとに1枚ずつ選んで描かれていたものですが、苦労した点や、こだわったポイントはありますか?

A – 素敵な写真ばかりだったので、苦渋の選択というか、どの会場も写真選びが大変でした。「愛知」に関しては、行きの新幹線で、雪化粧の富士山を見ることができて、描きたいと思いました。ちょうど用意してあった絵の具の中に銀色のものがあったので、それも追加で入れて、かなりキラキラした絵になったかなと思います。

「25.02.23_愛知」ライブツアー中に行ったイベント「皆様が激写したご当地写真を高野がデッサンしながらティータイム」にて、愛知付近の写真をハッシュタグで募集し、選んだ1枚をイベント内でデッサン。その日、2/23は富士山の日であったこともあり、この写真をセレクト。上空からの富士山も、大きくて神々しい。初めて水彩絵の具のシルバーを使ってみました。

Q – ツアー中ということもあって、時間が限定されている中での創作だったと思いますが、大変でしたか?

A – そうなんです、すごく難しくて。1枚に掛けられる時間が30分程で、しかも水彩もかなり久しぶりだったので。鉛筆の線、結構筆圧が強かったのか、残るなっていう印象はありましたけど、それも意外と悪くはないかなと思いました。

Q – 今回のアート展のために描いていただいたデジタルアートの作品では、コンセプトや作風は何か意識されていましたか?

A – タイトルを「冒険につき」にしたいなっていうところから始まって、それに伴ってイメージして描いていきました。

Q – この中でも一つ選んでいただいた作品がこちらの「はじまり」ですが、どういった作品ですか?

A – RPGの世界観が好きなので、道が続いて広がっていく絵の中で、同じようにみなさんの中で想像が広がるような絵を描きたいとは思っていました。ただ、とりあえず木を描き始めたらかなりでかくなってしまって、それが逆に面白い感じになったと思います。

「はじまり」はじめに完成しました。キャンバスをダークグレーに染め、白ペンを取り、何も考えず描き出したでかいと、描きたくなって描いた城。一番しっくりきた空と雲の色。

Q – 全体的にはどのあたりが難しかったですか?

A – 空は悩みましたね。雲のニュアンスが難しくて、何度も描き直しました。背景の色との兼ね合いもあって、細かく塗るかっていうところを、あえて雑に、一番太いペンでバッて描いたりもしました。デジタルアートだと、この細かいドローイング次第で印象が全然変わってしまうので、何百回と試して、良いニュアンスが出たものを使っています。「冒険へ」に関しては、背景が黒いところも、理想の黒になるようにかなりこだわりました。枠外は暗めだけれど、若干明度を上げて、ダークグレーのような感じにして、洋服の部分は若干カーキに近い黒を使いました。MCAでは、その辺りの微妙なニュアンスも再現されていたのでよかったです。

「冒険へ」最後に描いた一枚。僕のマスコットキャラクターであるアドラと一緒に、アートの冒険へ。

Q – ご自身の絵を通して、特に何か伝えたい事はありますか?

A – たくさんの方に絵に関心を持ってもらいたいです。僕の絵を観て、少しでも絵に興味を持つ人が増えたらいいなと思います。

Q – それは高野さんご自身に興味を持ってもらうというよりは、「絵」というものに対して興味を持ってもらうということですか?

A – そうですね。自分の活動を通して、少しでも「絵」の面白さっていうのが広まっていけば嬉しいです。

Q – 今後どんなものを描きたいですか?

A – デジタルアートだったり、自分の個性がどこかで出ているものがいいなとは思っています。色々とチャレンジもしたいのですが、水彩画や油絵、デジタルアートだったり、デッサンなど、色々な描き方を模索しつつ、描きたいものを描いていけたらと思います。

Q – あくまで楽しくというか。

A – そうですね。その楽しさを、多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。

Q – 最後に、会場に来られなかった人の為に何か一言お願いします。

A – 今回はトークイベントということで、話がメインという部分はもちろんあったかもしれないですが、絵は、実際に観ることで想像を膨らませて楽しんでもらえるものだと思っています。特に今回お話したこととしては、MCAの素材もすごくいいですし、水彩画も、MCAと並べてみると逆に良さが分かったりして楽しいと思うので、是非会場に来て、間近で作品を観て頂けると嬉しいです。僕の作品を観てどう思うかというところは、皆さんに委ねたい部分です。色々と想像を膨らませたりしながら、純粋に楽しんで貰えたら嬉しいです。

型にはまらず、縦横無尽にその才能を発揮している高野洸。かつての「妖怪ウォッチの人」というイメージは、もはやとうに薄れつつある。彼は、昔、ではなく、間違いなく今を生きている。そして、27歳の才能あふれる凛とした姿は、その視線の先は、来る未来を、楽しげに、しかし確実に見つめている。高野洸の今後の活動から目が離せない。




会期中はオンライン抽選販売を開催!

【皆様が激写したご当地写真を高野がデッサンしながらティータイム】のイベントにて、制限時間がある中で生まれた6点の「水彩画の原画」に加え、
「水彩画の複製Metal Canvas Art」、さらに「『冒険につき』」をテーマに書き下ろした新作4点」を
加えた、全10作品を抽選販売いたします。

受付期間:2025年5月22日(木)13:00 ~ 5月28日(水)23:59
下記URLから詳細をチェック!お見逃しなく!

抽選販売特設ページ

  1. 高野洸 × GAAAT アート展『冒険につき』
    2025年5月22日(木)〜 5月28日(水)
    ※開場時間は日程によって異なります。
    5/22(木): 13:00 – 19:00
    5/23(金)〜 5/27(火): 12:00 – 19:00
    5/28(水):12:00 – 17:00


    BABY THE COFFEE BREW CLUB
    東急プラザ原宿「ハラカド」3階 GAAAT ギャラリー
    〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目28-6 キュープラザ原宿 3F

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EDIT: Ryo Kobayashi