今週読みたいアート。入門書編vol.2

4月は出会いの季節…。今一度、アートの世界と出会ってみよう。ということで今月フォーカスするのは「入門書」。ひとくちに美術といっても様々な切り口があるけれど、「よく分からない」の意見も多い現代アートについての書籍と、美術史に関する意外な一冊をご紹介。

◯現代アートとは何か/小崎哲哉・著(河出書房新社)

「現代アートとは何か」2018年、小崎哲哉・著(河出書房新社)出典:河出書房新社公式ウェブサイトより引用

現代アートを説明する文章は数あれど、どんな問題や議論を孕んでいるのか、「アートワールド」と呼ばれる世界が如何なる輪郭をもつのか、詳細に紹介しているのが本書だ。「現代アートを司るのは、いったい誰なのか?」そんな問いから、アートの動機や裏側を軽やかに暴いていく。現代アート界の内幕を描き、カンヌ国際映画祭パルム・ドール(最高賞)も受賞した映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(監督:リューベン・オストルンド)や、『現代美術史』(山本浩貴・著/中公新書)も併せて読むとさらに理解は深まるかもしれない。

◯ 改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト/美術検定実行委員会・編(美術出版社)

「改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト」2014年、美術検定実行委員会・編(美術出版社)出典:美術出版社公式ウェブサイトより引用

少し異色の本を。こちら「美術検定」という美術検定協会主催の検定試験の公式テキスト。美術の知識や教養をテストするための教科書なのだが、図説や内容のカバー範囲が幅広く、美術の入門書としてもバッチリ。特に日本と西洋両面を抑えており、各時代の要点を掴めるところがおすすめ。TOEICの単語帳から英単語を勉強してみるように、このようなテキストから美術を学んでみるのもいいかも。ついでに毎年開催されている試験を受けてみては? 

それでは、みなさまのより楽しいアートライフを祈って、また次週!

EDIT: Ryoma Uchida